2022年に感じた制裁の話

移転したGateJに初めて行きましたが、駅前でなくなるだけであんな閑散とするものなのかと。
必要な資料は取れましたが、蔵書が大幅に減ったのも残念。
イベント会場的な意味合いが強くなった感じですかね。

落馬事象＝騎乗停止確定ではなくなった

何度か書いているが、最重要項目なのでしつこいぐらいに記しておきたい。
というか、これ以外は別にどうでもいいです。
昨年まで落馬事象は、どれだけ小さな過失であっても加害側と判定された段階で騎乗停止となっていた。
ところが、5月25日：新潟5Rで障害斜飛で相手を引っ掛けて落馬したのに過怠金10万で収まる事象が発生。
その後も平場で2件の落馬だけど過怠金で収まる事象があり、落馬＝騎乗停止ではなくなった事が確定した。
判定のキーとしては、加害側の動き、騎手の過失性という事になるだろうが、ほぼ馬要因で調教再審査だけど騎乗停止（7月24日：福島5R）というのは残っているので、この辺の折り合いがどうなっているのかが難しい。
ただ、前提の部分が大きく変わった事。
変わる事がある事は常識レベルで広まって欲しい所である。

9月4日：新潟2R

10月2日：中京12R

降着の基準も変わった（たぶん）

昨年のエントリーで書いた、審議数の大幅な減少。
今年の審議も昨年と同じ2件だけに留まった。
2月5日：中京5Rの件は、ハギノモーリスが大きく吹っ飛んで完全に差し切る勢いの被害馬が一旦止まりつつ追い詰めてアタマ差入選の形で降着となったが、10月16日：新潟9Rは「2年前なら降着でしたよね？」という感じは否めない。
審議そのものが減った事実を考えれば、降着基準そのものが引き上げられたと見るのが自然だろう。
まぁ、降着ルールが変わって早10年というのを考えれば、この辺に手が入っても全く不思議ではないのかもしれない。

2年前はこれで降着（2020年11月1日：京都7R）

今年はセーフ（10月16日：新潟9R）

騎乗停止は昨年同様に少なかった

こちらも昨年同様の項目
今年は昨年からさらに減少して19件の騎乗停止に収まった。
西谷凛の減量問題を除いた競走内の案件でも17件と昨年から1件減少となっている。

これは落馬＝騎乗停止でなくなった事に通ずる部分であるが、騎手の過失が低い事象に対する考慮が大きくなっている傾向が続いているように見受けられる。
去年と書いている事が一緒だが、落馬の件も含めてそれが部分部分で証明されている感があり。
現在の裁決には、馬術畑の猛者が再び増えているので、しばらくはこの傾向が続きそうな気はしている。

制裁回数は増えた

騎乗停止は減ったが、全体の制裁件数は175件増。
特に過怠金1万・戒告の軽制裁の件数が例年になく跳ねている。

新人騎手の人数が多かった、コロナ禍が収まり観客が増えた、などの要因は考えられるが、正確な所はなんとも言い切れない所。
いかにも新馬戦な事象が復活しているので、観客の影響もあるだろうが、コロナ前より増えてるやんけ、というのを考えると、判定側の変化も否定できず。
裁量の考慮を増やした分、軽めの事象も広く取るようになっているのかもしれない。

ムチ制裁の比率が変わった

今年から変更された肩ムチ絡みのルール。
「鞍より前方に使用する際には、手綱を掴んだまま順手で使用しなければならない」
というかなりキツイ文面でしたが、どこまで運用面で反映させるのか？、という疑問も生じていた所。
蓋を開けてみれば、あっさりと制裁対象に。
結果的に、ムチ制裁は連続回数以外の要因が大幅増。

回数＋前方使用の事象もありましたが、それらは回数に含めています。
回数制裁は昨年から20回ほど減少も、肩ムチ絡みが埋め合わせる以上に激増。
「ムチの制裁は回数オーバーです」という定型句を使用している人がいれば、放置したままこっそり笑ってあげましょう。
来年からは回数のボーダーが5回に減少するものの、今年の変更よりは影響が小さいと予想しますが、どうなりますかね。