手前肢と制裁の関係

手前肢について

手前肢というのは、走る最中に最後に付ける脚のことを言います。

サラブレッドはレース中は交差襲歩という走法で走っており、
右手前では左後→右後→左前→右前(手前肢)の順で地面につき、左手前だと左右反転して右後→左後→右前→左前(手前肢)の順番で走っています。

図1図1

図2図2

馬の推進力は斜めに向かっている

右手前の場合、推進力を最も大きく生み出すのは最初に付く左後肢、その推進力を受け止め舵取りの役割を担うのが最後に付く右前肢です。
この時、推進力は左後→右前に受け渡されるため、力学的には右斜め前へ向かって走っている事になります
これを手前肢である右前肢により推進力の修正を行うのですが、疲労が溜まる等で支えきれなくなると、推進力に負けて右へヨレていくことになります。
左手前では単純にこれが逆となります。

図3

手前と制裁の関係

ということで、騎手は常に手前方向への斜行を注意し未然に防ぐ義務があり、これに違反した場合には、レースへの影響以上に重い制裁となる可能性があります。特に手前方向への扶助は悪印象です。
反面、手前と逆方向へ斜行した場合には馬の悪癖として制裁が考慮される可能性があります。
斜行事象を見る際には扶助前の手前と扶助後の手前に注目してみてください。短評の中でよく「手前が~」と書いてるのは、制裁の軽重に深く関係してるからなんですね。

手前肢の見方がわからない人へ

手前脚の動画を作ってみたよ

【シリーズ手前脚】よくわかる手前脚の見方・解説【1/3】