ゴール前で接戦状態にもかかわらず、入線手前で推進扶助を止めて流しながら入線した場合には制裁が課せられます。
当サイト内で「油断騎乗」と取り扱っている制裁がそれ。
JRA発表の制裁内容が
決勝線手前での御法(騎乗ぶり)について
と記載されているものの殆どは、油断騎乗による制裁となっています。
この油断騎乗の運用で特徴的なのは、竹を割ったような裁量判定。
2015年~2020年までに発生した油断騎乗の裁量を集計するとこんな感じ。
裁量 | 件数 |
---|---|
戒告 | 33件 |
過怠金10万円 | 5件 |
騎乗停止 | 3件 |
油断騎乗の裁量は
戒告 or 過怠金10万以上という、中間が全く無い明確な切り分けがなされています。
これの意味する所は何なのか。
ほぼ同時期に起きた2事象を見比べてみましょう。
これは過怠金10万円(2020年7月18日:福島1R)
これは戒告(2020年7月26日:札幌3R)
流した完歩数はほぼ同等ですが、10万円は併走相手にハナ差負け。戒告はクビ差先着の形。
他の事象を見ても、一番大きな要素と思えるのが着順影響の考慮。
戒告の中にも抜かれてるケースはありますが少数派ですし、
過怠金10万以上の事象の大半は併走相手に抜かれた(抜けなかった)ケースです。
JRAのレポート内では
明確に着順に影響があったとは認められないものの
という一文が入るものの、結果として流して負けた際には重い裁量が課せられる形となっています。
まぁ、「追ってれば先着できた可能性~」とかいったら色々面倒になる事必死ですし。
一部では、流した完歩数に応じて裁量が加減されるという記事も見受けられますが、その要素も確かに考慮されてるものの、最大の要素かと言うと疑問が残るところです。
熊ちゃんが100m手前で流したら遊ばれててんやわんやでクビ差凌いだけど2日停止という前例はありますが、この辺は特殊事例と考えて良いかと思います。