三浦皇成9頭落馬事故から復帰後の斜行を振り返る

9頭落馬事故は大きく報道され、鞍上の三浦皇成へ非難の声も多く聞かれました。
騎手の過失としては、かなり微妙な事例でしたが叩かれる状況というのは酷なものです。
こうした環境に置かれると、大抵の人間はおとなしくなるものなんですが、三浦騎手はそんな常識をひっくり返します。
今回はそんな事例。


制裁内容:決勝線手前で急に外側に斜行したことについて平成22年2月13日から平成22年2月21日まで騎乗停止(実効4日)

レース経過:三浦@マイネルスターリーが直線残り100m辺りから左ムチ連打で右にヨレ、武豊@ナリタクリスタルの進路を妨害。
妨害後も更に左ムチを入れ続け更にヨレ続ける謎騎乗。
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背景馬の位置に注目。5頭分ぐらいは外にヨレとるがな・・・。

動画を通しても、被害を受けた武豊の困惑している様子が見て取れますね。

私見:9頭落馬事故の当事者となり叩かれ、そこから復帰してきた週にこの競馬。
普通、自分は悪く無いと思っても多少は萎縮するもんでしょ。
もう呆れる果てるというかなんというか。
ここから復帰した後はさすがに1年近くおとなしい競馬をしてましたけど、その前に反省の色は見せておけよ。
前後関係を含めれば、これは近10年で最悪の斜行事例だと思っています。
こういうトンパチな騎手は大好きなんですけど、世間から叩かれても仕方ないですよね。


三浦皇成9頭落馬事故を振り返る

制裁情報のまとめが軌道に乗ってきた所で、過去の制裁事例を振り返ってみたいと思います。
初回として、近年最大の落馬事故となった表題の件を取り上げましょう。

2010年1月11日中山4R:新馬戦
制裁内容:4コーナーで外側に斜行したことについて平成22年1月16日から平成22年1月24日まで騎乗停止(実効4日)
レース経過:4角半ばで三浦@ノボプロジェクトが突如外にヨレ、引っ掛かった勝浦@フォルメンが転倒、そこに後続が続いたことでドミノ式に被害が拡大し、9頭が競走中止となった。
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私見:
この事故の原因に関しては、実に様々な説が飛び交いましたね。
曰く、内ラチ1頭分空けなかったのが原因だとか
曰く、自転車の後輪が流れた様なものだとか
曰く、勝浦@フォルメンが後方から煽る感じで併せに来たからだとか

5年経って改めてじっくり見た感想として、まずトモの流れ方が遠心力に負けて流れたものではなく、蹴りに行く動作に見えること。
一度後肢を内に入れてから外に蹴りだしているんですよね。
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私は競馬のような高い負荷で乗ったことはありませんが、この動作は遠心力に負けた形には見えない。
バランスを崩したとしてもちょっと不自然な動きですし、
フォルメンを嫌がって外に蹴りだしたというのが私の見方ですね。

結論として、外から圧力を嫌ったノボプロジェクト自身の問題によっておきた事故。
内ラチを詰めていた分、圧力が強まり経験のない新馬の余裕が無くなったが故に起きた動作とも言えなくはないが、これを騎手の責任とするのは酷。
現行のシステムなら、馬は失格、騎乗停止は1日が妥当な所か。