登録枠の拡大を再評価しよう

「日本競馬の歴史は予備登録枠の拡大前と後に分けられる」

by 野元賢一

反論もあるだろうが、思いつくままに挙げてみたがどうだろう。

即座に表に出た問題もあれば、何年も歳月をかけてじわりじわりと侵食した問題もある。
直接的な影響を与えたものあれば、間接的に与えた影響もある。
ただ一つ言えることは、この改革は日本競馬に多大なる影響を与えたにも関わらず、その評価作業がファンも現場も欠けている。
欠けていなければ出てこないはずの発言、意見、記事が多く、JRAと意識の齟齬が起きる原因とも言える。
降級廃止という情報が流れた時に、レース資源の効率化という基本的な部分に触れる記事は殆ど見られなかった。高額条件の充実化というJRA発表をそのまま横流しする記事やコラムはあるが、降級問題と下級条件の下膨れという現状を結びつけて発信する記事を自分は見たことがない。
見たことが無いので自分で動画を作った。そしてそれを文章化している訳である。

登録枠の拡大は日本競馬に多大なる影響を与えた。
少ない登録枠は大きな問題を抱えていたが、拡大のさせ方が拙速であったのは否めない。
しかし問題を抱えても、管理枠を元に戻すこともできない。
既に日本競馬界は変質し、そのための歯車が周っている。
賽は既に投げられているのだ。
そして、向かうべきは競争原理の加速なのか現状の保護なのか。
競馬ファンとしてそのスタンスを考えるためのスタート地点に立つためにも、起点から改めて考え直す必要があるはずだ。


次:私的3歳ダート路線整備論
その5:降級廃止にも対応できる優先出走順位改革案
その6:JRAのスリーアウト法導入についての一考察
その7:将来トレセンの25%が廃業する事になる(かもしれない)という話
その8.新馬戦の除外ラッシュが長期化するかもね


コメント

  1. ペルノ より:

    確実にレース数を増やせるのは、障害競走の廃止ぐらいでしょうね

    • Luthier より:

      コメントありがとうございます。

      そこに気付いてしまわれましたか。
      ありえない話ではない、、、というより結構実現性のある話ですからねぇ。
      障害レース好きとしては、そこも回避して欲しいところなのですが。

  2. 名無し より:

    なんともしがたいですなぁ
    2場開催時に盛岡とか借りて開催するわけにもいかんだろうし
    最大の禁じ手だ

    • Luthier より:

      コメントありがとうございます

      地方の場借は交流競走の増発でじわりじわりと侵食させる形で進行させているので、そこまで禁じ手でもないとは思います。
      ただ、コストが全く見合わないという問題がありますが。