降級廃止の効果を検証しよう

で、今後はどうなんの?

今回のエントリーは2年前に書いたことの答え合わせに近いが、大筋としては予想通りの結果であった。
結局の所、馬の数を減らすかレースを増やさなければ需給を釣り合わせることはできないし、その根本部分の認識が広まっていないのも変わらない。
結論は毎回一緒。

当時からはデビュー頭数が100頭以上増加するという、あまりよろしくない変化も生じているが、今後の予測は難しい。
このエントリーでは古馬条件戦に絞ったが、増え続ける新馬は実に悩ましい存在だ。
スリーアウトで削った需要はあっという間に食い潰されて除外状況は元通り、さらに新馬の増加は馬房を非効率化させ全体の出走数にも影響を与えている。
冒頭の日経の記事を更に批判するが、生産頭数の増加で競走馬資源を確保できたのはJRAでなく地方競馬である。
JRAが適正な調整を行えぬ前に地方競馬の新馬が回復している事は、将来的に生産界の爆弾となる可能性も秘めている。

そして、コロナウィルスの影響で馬主経済の先行きが予測不能という大問題が発生しており、競馬界の将来はどこまでも行っても不透明。
現段階で何が言えるのかとすれば「状況を見つつ考えます」という言葉しか出てこない。

ただ、ここ1年の売上を見ていると、10年以上前の段階で問題を共通課題として認識していれば、PATの地方販売と絡めて地方交流競走の増発と賞金分担比率に関して色々やれただろうなぁ、という思いはある。

時が経てば経つほど打てる手段は変質して行く。
しかし、変質した結果が明るい手段である事は少ないのが常である。


その1.降級制度を廃止する理由とその疑問 
その2.降級廃止が招く混乱の可能性
その3.登録枠の拡大を再評価しよう
その4.私的3歳ダート路線整備論
その5.降級廃止にも対応できる優先出走順位改革案
その6. JRAのスリーアウト法導入についての一考察
その7.将来トレセンの25%が廃業する事になる(かもしれない)という話
その8.新馬戦の除外ラッシュが長期化するかもね
その9.降級廃止の効果を検証しよう←いまここ