このエントリーはyoutubeにアップした厩舎制度の変遷から見る降級制度廃止問題の内容を再構成してデータを補完しつつ文章化したものです。
ダービーが終わり2歳馬がデビューする季節がやってきた。
そして、今年で最後となる4歳馬の収得賞金減額措置、いわゆる降級によるクラスの再編成も実施される。
降級制度を何故廃止するか。
JRAが掲げている「分かりやすいクラス制度にする」だの「レベルの高い競争の実現」というのが建前という見方は、大勢の一致するところだと思う。
ただ、それに対する「やらずが増える」だの「早熟馬に不利」という批判は、制度改正の目的からズレており、議論の核に据えるのは的外れの感がある。
単純に降級廃止の目的だけを言えば、降級によって生じるクラス毎の出走数のバラつきを是正しようというものである。
この一言で終われば簡単であるが、一つの疑問が出てくる。
一体、JRAはなぜ出走数のバラつきを是正しなければならないのだろうか。
そして、バラつきの是正が必要となった問題の根本は何なのだろうか
なぜ?、なぜ?、を突き詰めると、この問題は一つの改革に端を発する事が見えてくる。
降級制度の廃止を語るのならば、この根幹も同時に理解した上で語らなければならない。
なにせJRAが20年近く抱え続ける問題である。
馬券には全く関係ないし無駄に長い話となるが、興味のある人は読んでいただきたい。
コメント
>その一面が、現在まで続く除外ラッシュである。
言いたいことはわかりますが、未勝利と500万下の除外ラッシュは1990年代前半には既に競馬雑誌などで問題視されていました。
2000年代にメリットシステム制が開始されるずっと前から未勝利と500万下は除外だらけでした。
その結果、JRA所属馬の出走機会を確保するため、JRA交流競走が1994年から始まりました。
そもそも新馬・未勝利のフルゲート増加は未勝利戦終了時期の繰り上げ(昔は11月の福島開催までで、今は夏の小倉・新潟開催で終了)やJRA交流未勝利戦の減少(これはJRAの予算削減や地方競馬の廃止が原因)なども原因となっているので、一概に管理頭数の増加のみが原因とは言い切れない部分がある。
この記事では全く触れられないけど、除外ラッシュの一番の原因は外厩の充実でしょう。
昔は外厩がほとんどなかったから、休養明けの馬など、馬房にいてもすぐに使えない馬が一定数いたけど、今はそんな馬は馬房に置かない。
外厩がほとんどなく、すぐに使えない馬が馬房にいた時代ですら除外だらけだったので、2000年代初めに管理枠を増やさなくても、地方競馬からの出戻りを条件を緩和しなくても結果は同じだったと思う。
JRAには競馬法改正して1日12R制限を撤廃するという考えはないのかな?
除外問題を一気に解決する名案だと思うのだが。
コメントありがとうございます。
まぁ、それに対する回答は続編に長々と書いてますのでそちらを見てもらえればよいかと思います。
簡単に言えば預託枠拡大以前と以後では問題のレベルが違う。
そんな感じで結論の部分は全くもって同意ですが、その過程に関してはちょっと同意しかねます。
なぜ外厩が発展したかの理由も含め。