降級制度を廃止する理由と疑問

やっと本題に

という長い長い説明を経た上で、降級制度を廃止の登場である。
今回の降級制度廃止は

  • 降級の流れを廃することで全体的に下膨れ状態となっているクラス編成を押し上げ、歪みを修正する。
    (2017年降級頭数・500万下403頭、1000万下134頭、1600万下、66頭)
  • クラス替え時期に起きるクラス毎の出走数のバラつきを無くしレース資源を最大限に活用できるようにし、1頭あたりの出走回数を増やす。

この2つが目的となる。
元々、降級制度自体が、馬資源の有効活用を目的としたものであることを考えれば、管理枠を拡大した段階で降級制度が廃止されるのは自然な流れでもあった。
降級制度の廃止を論じるにはこの一連の制度変遷の流れとその意味を踏まえなければならないのだが、一部の評論家はこの流れを認識していないか、意図的に無視してJRA批判に矛先を向けようとする者がいるのが残念である。

そして、この制度変遷流れを考えた上で、また一つの疑問が生じてくる。

果たして降級廃止で除外問題が解決して出走回数は回復するのだろうか?

動画ではあまり掘り下げなかったこの部分については、次回に。

次回:降級廃止が招く混乱の可能性
その3:登録枠の拡大を再評価しよう
その4:私的3歳ダート路線整備論
その5:降級廃止にも対応できる優先出走順位改革案
その6:JRAのスリーアウト法導入についての一考察
その7:将来トレセンの25%が廃業する事になる(かもしれない)という話
その8.新馬戦の除外ラッシュが長期化するかもね


コメント

  1. ななし より:

    >その一面が、現在まで続く除外ラッシュである。

    言いたいことはわかりますが、未勝利と500万下の除外ラッシュは1990年代前半には既に競馬雑誌などで問題視されていました。
    2000年代にメリットシステム制が開始されるずっと前から未勝利と500万下は除外だらけでした。
    その結果、JRA所属馬の出走機会を確保するため、JRA交流競走が1994年から始まりました。

  2. ななし より:

    そもそも新馬・未勝利のフルゲート増加は未勝利戦終了時期の繰り上げ(昔は11月の福島開催までで、今は夏の小倉・新潟開催で終了)やJRA交流未勝利戦の減少(これはJRAの予算削減や地方競馬の廃止が原因)なども原因となっているので、一概に管理頭数の増加のみが原因とは言い切れない部分がある。

    この記事では全く触れられないけど、除外ラッシュの一番の原因は外厩の充実でしょう。
    昔は外厩がほとんどなかったから、休養明けの馬など、馬房にいてもすぐに使えない馬が一定数いたけど、今はそんな馬は馬房に置かない。
    外厩がほとんどなく、すぐに使えない馬が馬房にいた時代ですら除外だらけだったので、2000年代初めに管理枠を増やさなくても、地方競馬からの出戻りを条件を緩和しなくても結果は同じだったと思う。

    JRAには競馬法改正して1日12R制限を撤廃するという考えはないのかな?
    除外問題を一気に解決する名案だと思うのだが。

    • Luthier より:

      コメントありがとうございます。

      まぁ、それに対する回答は続編に長々と書いてますのでそちらを見てもらえればよいかと思います。
      簡単に言えば預託枠拡大以前と以後では問題のレベルが違う。
      そんな感じで結論の部分は全くもって同意ですが、その過程に関してはちょっと同意しかねます。
      なぜ外厩が発展したかの理由も含め。