降着制度改正私案

前回:JRAの降着基準について


現在の降着制度運用は、明らかに脚色の良い馬が直線半ばで被害を受けても降着にならない一方、叩き合いの寄せ合いによる微妙な着差が降着処分になったりと、公正競馬として正しい姿とは言いづらい状態と言えます。
JRAもファンの声に答えて内規とも言えるような降着ラインを動画化して公開していますが、こんなルールがまかり通るなんて納得できねぇ、と言いたくなる内容なので、個人的な改正案を出してみたいと思います。

降着・失格の判断基準VTR

【改正案1】落馬事象の加害馬は原則失格処分とする

最低限改正して欲しいのがこれ。
現行ルールでは、「極めて悪質で他の騎手や馬に対する危険な行為によって、競走に重大な支障を生じさせた場合のみ失格」となっていますが、JRA側の認識は、落馬するような斜行は悪質で競争に重大な支障を生じさせる物ではないようです。
個人的には、落馬が発生した時点で競争に重大な支障が生じてると思いますので、原則失格とするべきでしょう。

【改正案2】残り600m以降で発生した重大事象で加害馬が走行妨害が無くても先着したといえる事象以外は降着とする

直線で被害馬が大きく減速した場合、再加速して加害馬追いつくことは不可能で完全にやり得となっています。ですが、旧ルールに戻して明らかに違う脚色で突き抜けた馬まで降着させるのは現ルールの長所を消してしまいます。
折衷案として、「推定無罪」で運用されている現ルールを「推定有罪」に転換させるのはどうでしょうか。
例えば、馬群を捌いて伸びてくる過程で一杯になった逃げ馬を妨害しても着順通り。
残り200mから大外ぶっこ抜きで内の馬を引っ掛けたけど5馬身突き抜けた馬も逆転要素が無いので着順通り。
対して、フェアリーSのように直線入り口から半ばで立ち上がる馬が出るような大きな不利が出た場合は、確実に先着できたと言えないので降着。
ついでに、現状ゴール前100mのみの事象しか降着の対象として考慮しないのはあまりに狭すぎるので600mまで広げましょう。

他にスタート直後や道中の事象に関しても色々意見があるとは思いますが、その辺にまで手を付けると旧ルールで良いじゃねぇかという話にもなるので、とりあえずはこの程度の改正でどうでございましょ。