ウマコロナウイルスが好きだ

ウマコロナウイルスが好きだ

「コロナウイルスって馬にも感染するんですか?」という話があるが、新型コロナウイルスがコウモリとかミンク等が中間宿主の可能性が高かったように、馬も当然感染する。
で、馬が発病する馬コロナウイルスも存在する。
2005年辺りから、ばんえい競馬で3度流行した事があるが、日本の軽種馬界で流行が確認されたのは過去に1回だけ。
それは、2020年の事
マジでタイミング良すぎね?

第 62 回 競走馬に関する調査研究発表会・講演要旨より

東京競馬場乗馬センターにおけるウマコロナウイルス感染症の流行

【背景】
ウマコロナウイルス(ECoV)感染症は発熱や食欲不振を主徴とする伝染性疾患であり、一部では下痢などの消化器症状が認められる。日本では重種馬群での流行が過去に 3 度報告されているが、サラブレッドでの報告はない。2020 年春、東京競馬場乗馬センターにおいて国内で初めてサラブレッドを含む馬群でECoV 感染症が流行したので、発生状況と流行の特徴について報告する。

【発生状況と検査結果】
流行は、東京競馬場乗馬センター内で繋養されている 41 頭の馬群(年齢 1~19 歳、平均 10.8 歳)で発生した。馬群はサラブレッド(サラ)16 頭、およびアンダルシアンやポニーなどサラブレッド以外(非サラ)の 9 品種 25 頭で構成されていた。3 月 25 日に競馬学校で開催された調教審査会に参加した 3 頭が帰厩後 3 日以内に全頭発熱し、その後の 1 週間でさらに 7 頭が発熱した。4 月 3 日に 1 頭が下痢を発症したため、同馬の糞便を用いてリアルタイム RT-PCR 検査(qPCR)を実施したところ、ECoV 遺伝子が検出された。
最終的には、4 月 9 日までに馬群内の 15 頭(37 %)で発熱、食欲不振、下痢などの症状が認められ、発熱が 11 頭と最も多かった。いずれも症状は軽度であり、サラと非サラで有症率に差はなかった。全頭を対象に実施した qPCR では、30 頭(73 %)から ECoV 遺伝子が検出された。qPCR は週に 1 回の頻度で実施し、
2 回連続で陰性が確認されるまで検査を継続した。ECoV 検出期間は、非サラでは最長 98 日に及ぶ馬(アンダルシアン)がいた一方、サラでは最長でも 19 日間であり、検出期間はサラでより短い傾向がみられた。
さらに、4 月 3 日と 22 日に全頭から採取したペア血清を用いたウイルス中和試験では、全 41 頭で陽転(4倍以上の抗体価上昇)が確認された。なお、今年の 1 月下旬から 2 月初旬にかけて競馬学校で原因不明の集団発熱が発生した際に採取したペア血清を用いて ECoV 中和試験を実施したところ、発熱馬 12 頭全てで陽転が認められた。
【考察】
今回の東京競馬場での流行は、競馬学校で流行した ECoV が出張馬により媒介されて集団内に持ち込まれたことによって発生した可能性が高いと考えられた。臨床症状は既報と同様に発熱が多く、ECoV 感染症では下痢や軟便などの消化器症状の出現頻度は低いことが再認識された。中和試験により全頭への感染が証明されたことから、今回の流行における ECoV の感染力は極めて強力であることが明らかとなった。
一方、26 頭(63 %)は不顕性感染であったことから、これらの馬を介した感染拡大リスクも高いと考えられた。
また、有症率に差はみられなかったものの検出期間は非サラよりサラで短い傾向がみられたことから、ECoV の検出期間には品種が影響すると推察された。

本会競走馬および育成馬におけるウマコロナウイルスの浸潤状況

【背景と目的】
これまでウマコロナウイルス(ECoV)感染症は、重種馬や乗用馬で多く報告されていたが、本年、東京競馬場において、サラブレッドを含む馬群としては国内初となる流行が起きた。過去の調査では、北海道日高地方の健康なサラブレッド仔馬の糞便から ECoV 遺伝子が検出されたほか、トレセンの発熱馬の一部でECoV に対する抗体価の上昇が検出されているが、競走馬や育成馬におけるウイルス循環状況の詳細や疾病との関連は明らかでない。本研究では、ECoV 感染症が競馬に与える影響を推測するため、両トレセンの競
走馬および日高育成牧場の育成馬における ECoV の浸潤状況を調査した。
【材料と方法】
両トレセンの調査では、2017 年~2020 年の 3 年間を 5 月を起点として 1 年ずつ区切り、5 月・11 月・翌年 5 月の定期検査を全て受けた 3 歳以上の馬(32~54 頭/シーズン)、3 月~8 月の入厩検疫・11 月・翌年 5 月の定期検査を全て受けた 2 歳馬(39~62 頭/シーズン)、および 2019 年 12 月~翌年 5 月に 38.5℃以上の発熱を認め、初診時と回復期の血清が得られた馬(栗東 184 頭、美浦 60 頭)の血清を用いた。日高育成牧場の調査では、上記 3 シーズンの育成馬(1 歳、50~56 頭/シーズン)から、8 月・12 月・翌年 4 月に採取した血清を用いた。血清の ECoV 中和抗体価を測定し、2 点の血清間で 4 倍以上の抗体価上昇を示した場合に感染と判定した。また、血清の採材日から感染の起きた時期を推定し、当該期間の病歴を調査した。
【結果と考察】
栗東トレセンの全検査馬における感染率は、5 月~11 月が 12/279 頭(4.3%)、11 月~翌年 5 月が22/279 頭(7.9%)だった。美浦では、5 月~11 月の 7/278 頭(2.5%)と比べ、11 月~翌年 5 月が 41/278頭(14.7%)と有意に高かった(p<0.01)。感染馬のうち推定感染時期に感冒または消化器疾患の病歴を有していたのは 9/81 頭(11.1%)だった。2 歳馬の入厩時点の抗体陽性率は 56.4%~89.6%だった。発熱馬の調査では、栗東では 12 月~4 月、美浦では 5 月に感染馬が見られ、期間を通じての感染率は栗東が14/184 頭(7.6%)、美浦が 2/60 頭(3.3%)だった。日高育成牧場の全検査馬における感染率は、8 月~12月が 97/161 頭(60.2%)で、12 月~翌年 4 月の 6/161 頭(3.7%)と比べ有意に高かった(p<0.01)。感染馬のうち推定感染時期に感冒または消化器疾患の病歴を有していたのは 18/102 頭(17.6%)だった。
以上より、トレセン・育成牧場において ECoV は広く循環し、競走馬・育成馬は感染を繰り返し受けていることが示された。現役競走馬では冬期を中心に、育成馬では入厩後の秋期にウイルスが循環しやすく、発熱や消化器疾患の一部に ECoV が関与している可能性が示された。しかしこれまで、本会競走馬や育成馬では発症を伴う ECoV の流行が検出されていないことから、感染馬の多くは症状を伴わないか軽症で回復していると考えられ、現状では ECoV 感染症が競馬に与える影響は軽微であると推察された。

変に抜き取らず長々と全コピー
要旨からは、旧型ヒトコロナウイルスと同じような感じと受け取れる。
でも、何で東京競馬場で感染力が強くて病状を伴う大流行が、よりにもよってこのタイミング?
というのもあって、何かモヤモヤっとするこの話。
ばんえいだけの流行が他種にも広まりつつあるというのは、コロナウイルスの変異性を考えるとなんか気になるのよね。

ばんえい競馬での馬コロナウイルスの流行では、気合の入ったの研究論文が公開されていますが、今回の流行に対してもこれぐらいの研究を期待したい所です。