中京2020年3月29日制裁事象【騎乗停止有り】

斜行:3件【騎乗停止有り】
後検量:1件

中京3R
騎手 武豊(ソルトキャピタル)
制裁 4コーナーで外側に斜行したことについて過怠金10000円
加害馬 3番 被害馬 15番
短評 残り600辺りで外から押し上げながら蓋してきた15番オメガデラックスを弾き出した。

被害馬のリアクションは大きめだったが、動き自体は小さくこの過怠金に。

中京4R
騎手 田辺裕信(アイシーブルー)
制裁 最後の直線コースで外側に斜行したことについて戒告
加害馬 10番 被害馬 13番
短評 直線入口で進路確保しようと13番エヒトを外へ押し出そうとした。
中京6R
騎手 菱田裕二(メイショウブラボー)
制裁 後検量について注意義務を怠り過怠金50000円
短評 10番
中京11R:高松宮記念
騎手 和田竜二(クリノガウディー)
制裁 最後の直線コースで内側に斜行したことについて令和2年4月11日から令和2年4月19日まで騎乗停止(実効4日間)
加害馬 11番 被害馬 3番・16番
短評 直線右手前も内にモタれて仕方がない。
左ムチに何度も外手綱を開いて持たせようとしていたが、残り200辺りから内へ内へとヨレて100辺りで3番ダイアトニックの進路が狭くなった。

ダイアトニックとは、3/4馬身差ぐらいからハナ+ハナ+アタマ差まで詰められての入線で降着処分。
入線時の脚色差明確でこの着差なら文句なし。
ちなみに、3着順分の降着は現行基準では初。
(降着の基準に関しては、去年書いたエントリーも参照に)
ただ、騎手側がやれることはやっており、騎乗停止満額はちょいと可哀想。
調教注意のハードルが高めになっている、ここ1,2年の傾向通りではあるが。

パトロール映像(斜め)

パトロール映像(正面)


コメント

  1. ノーステア より:

    和田騎手がダイアトニックとモズスーパーフレアの走行を妨害しようがしまいが、クリノガウディーはグランアレグリアより先着していると思うのですがその点はどういった解釈なのですか?
    不利がなければダイアトニックはモズを捕らえてたといった話の延長線になるのでしょうか。

  2. Luthier より:

    コメントありがとうございます

    着順入れ替えは被害馬と加害馬の関係性だけなので、第三者はどうであろうが全く影響はないでしょう
    その辺は以前の基準と一緒ですね

  3. 通りすがり より:

    どうも初めまして。
    心情的な良し悪しは別として「合理的」に考えるなら、クリノガウディーが斜行を始めた時点で和田騎手の「最善手」は、そのまま大斜行して後続を突き飛ばして着差を確保するのが、最も「合理的」ということになったのでしょうか。どうせ騎乗停止処分は免れないのなら、せめて降着は回避したいという意味において。ミッキーアイルの前例もあることですし。
    それが最も「合理的」とするなら、つまりルールを制定したJRAが、その選択を推奨しているように感じられます。
    クリノガウディーの降着それ自体に異議は無いのですが、将来的には恐ろしい想像をしてしまいます。
    長文失礼しました。

    • Luthier より:

      コメントありがとうございます。

      降着回避で着順確保の最善手は、まさにミッキーアイルの如く内をぶっ潰すのが良かったでしょうね。
      ただ、そんな乗り方をしたら浜中同様に騎乗停止期間が上乗せとなるので「合理的」かは微妙。

      この基準は基本的にパリ会議で決まった国際的な枠組みなので、JRAが制定したというよりも、採用した、という方が適切かと思います。
      カテゴリー1を国際的にゴリゴリ推してるのは香港さん。
      で、カテゴリー1で国際的に共通化されていく流れは止まりそうにないので、基本的な枠組みは変わらないでしょう。
      カテゴリー2でも、それはそれで議論が起きるのはアメリカの状況が証明してますし。
      レースインシデントの判定で揉めるのは人間がやってるF1やサイクルロードレースでも同様なんで、馬がやってる競技ならなおさら難しい。
      なので、カテゴリー1そのものに対して、自分はそこまで問題視はしていません。

      ただ、JRAがそれを採用するのは良いんですけど、運用に関しては問題を感じていて、
      持論として降着=騎乗停止ってのは改めろと。
      降着判定はカテゴリー1なのに、裁量はカテゴリー2のままってのはおかしいだろうと。
      香港は降着でも騎乗停止にならない事象もあるのに、JRAがそこを反映させないのは理解できない。
      まぁ、今回は勝負所で明確に削っちゃってるので騎乗停止は回避できないでしょうが、修正の意図は明確に見せていたから調教注意がなくても2日停止でええやないかと。
      その辺は、ルールの国際調和が図れてねぇ、と思いますね。

      • 通りすがり より:

        丁寧な御回答、どうもありがとうございました。

        「香港は降着でも騎乗停止にならない事象もある」というのは興味深い話でした。
        「馬の降着」と「騎手の制裁」は全く別事象であるというのがカテゴリー1の考え方と見受けますので、それならば香港の考え方は筋が通っているように感じました。

        馬の逃避に対する矯正動作に対しては情状酌量を、逆に確信犯的な斜行放置には厳罰化(例えば騎乗停止に加えて賞金没収とか)を、メリハリが付けば納得もし易いかもしれませんね。

  4. 名無し より:

    ダイアトニックの件での降着は文句なしとして、その一方でモズスーパーフレアとの件も被害はダイアトニックほど大きくはなかったとはいえ、それでもハナ差という着差を踏まえてモズスーパーフレアもクリノガウディーに対して先着できていた(モズだけが対象なら2着降着だったが、ダイアトニックの件もあったのでそちらが採用されての4着降着)
    という判定なので、2つの降着事象の同時発生として考えれば、和田騎手は騎乗停止4日でも仕方ないのかもしれません。

    • Luthier より:

      コメントありがとうございます。

      2頭分の影響を考慮して4日間になったという解釈は無いでしょうね。
      というのも、降着事象っていうのは、降着判定された段階で騎乗停止4日スタートなんですよ。
      過去には2日停止や1日停止となった降着事象はありますが、全部、調教注意(騎乗停止2日)や再審査(騎乗停止1日)が伴った事象なんですね。
      つまり、馬の問題が認定されないと裁量が軽くならない。
      降着以外の影響度や騎手の過失性は全く関係ないんです。

      で、最近は調教再審査や注意のハードルがちょっと高い。
      去年の横山典弘が騎乗停止になった事象が一番比較しやすいんですが、これ3年前なら調教再審査ですよ。
      まぁ、この事象だけでなく全体的な傾向なので、一貫してるといえばしてるんですがね。