降着関連で色々あったね、という話

まだ6月に入ってませんが、制裁における上半期最大のテーマは審議・降着問題だったと思います。

昨年は1件だけだった降着が、今年は5月終了時点で3件、さらに皐月賞の審議だったりケンタッキーダービーの降着だったりと様々な話題が飛んできました。
基本的にはこれまでの降着基準を踏襲するもので、現在の問題を再確認できるような事象でしたが、その辺を振り返りつつまとめる感じのエントリーです。
なお、youtube動画と内容に大差はありません。

推測される降着基準

カテゴリー1へ移行してからJRAの降着基準が分からないという人は今でも多い。
「知ろうとしてないだけ」という言葉をグッと飲み込んで、基準がわからない人は事象発生時のインパクトしか見ていない可能性が高い。

降着に関するエントリーは以前に何度か書いてますが、今回は少しシンプルに。

降着の基準は

1に着差(半馬身)
2に脚色

と言い切ってしまっていいでしょう。
脚色優勢な馬に不利を与え、入線時にも差を詰められる脚色で、着差が半馬身差以内だと審議・降着の可能性が出てきます。
もちろん着差は小さければ小さいほど可能性は高くなりますが、逆に言えば、追い抜きながらの事象では審議・降着の可能性は低くなりますし、横から当てるなど脚勢への影響判定が小さいと判定されると着差基準は厳しくなります。
まず第1に見るべきは着差。そして第2に脚色。
JRAの裁決レポートに着差が明記されているには理由があるのです。
審議対象の可否で見るべきは、事象発生時と同等以上に入線時が重要となります。

ちなみに、この基準の中で悪質性は全く考慮されておらず、事実、落馬させても失格になりませんし、被害馬が立ち上がるほど大きく減速するような斜行も着差が離れるので降着になりません。
被害馬のバランスが崩れた事実よりも、事象前後と脚色差と入線時の脚色が重要視されるのです。
これがルール的に妥当かどうかは知ラネ。

ただ、過去の事例を見ていけばこういう機械的な基準が見えてくるという話で、そこから逸脱した降着事象はNHKマイルCだけです。


これを踏まえた上で、この事象を見てみましょう。

2019年5月19日東京12R:丹沢S

被害馬と同等の脚色・追い抜きながらの事象で入線時も明確な脚色差はなく着差は1馬身3/4差。
降着基準からは大きく離れた形ですが、現場ではこんな感じだったらしい。

管理側と現場側の感覚が乖離している現状は実に不幸である。