ケンタッキーダービーの降着について

NHKマイルカップの件でお祭りになってますが、まとめるまでのお通し的な感じでどうぞ。
新潟の件も含め時間が掛かると思いますので

2019年ケンタッキーダービー
マキシマムセキュリティが4角コーナリング中に右手前に変換して外へ逸走気味に膨れて他馬の走行を妨害。
加害馬は17着に降着となりました。

日本でも定期的にあるコーナーで手前を変えられて膨れちゃった事象ですね。

2月23日:中山6R(過怠金5万)

3月3日:中山4R(過怠金5万)

典型的な馬にやられた形で日本なら過怠金5万。
G1で着関係なのを最大限考慮しても1日停止といった所でしょう。
現在のJRAなら降着にはなりません。


と、これだけで終わっては何なので与太話的なものを

この件で「アメリカの基準では~」という括りで語ることは難しい所です。
というのも北米競馬の管轄は州が持っており、競走ルールも州ごとに定められています。
簡単に検索できたカリフォルニア州ニューヨーク州デラウェア州のルールをサラッと見た所、カテゴリー2の運用範疇であることは認識できるものの、運用実態は州ごとに違う事が想定されます。
そもそも、統括団体のトップである全米サラブレッド競馬協会(NTRA)の設立が1997年と歴史が浅い上、権限が日本の地方競馬協会(NAR)以上に弱いという実情があります。
IFHAの国際協定第10条「降着・失格・騎乗停止の国際申請」においてもアメリカは「その権限は州の統括団体が持ってるから俺らでは無理」と批准していません。
まぁ、権限のある統括団体があれば、ラシックス問題も30年前に解決してるでしょうし。

って事で、この件で2014年のBCクラシックや2015年のビヴァリーDSを引き合いに出すのは微妙な感じはあります。
一応、各団体間で調整はしているでしょうが。


さてさて、今回の一件では、アメリカの本家yahooトップでもネガティブな表現で積極的に扱われており、すでに一部で始まっている降着ルールの協議において大きな影響を及ぼしそうな気配。

これを機にアメリカの降着カテゴリー論争は間違いなく加速するでしょうが、果たしてどういった結論が出るのか。
これを機に北米レベルでルールを統一化する流れが生まれれば、薬物関連の問題も一気に押し流せる気もするんですが、2ヶ月ぐらいは議論を見守りたい所です。