「 2015年05月21日 」一覧

調教時計の大嘘

今年も日本ダービーが近づいてきました。
すでに特集記事の連載が始まり、各々予想をし始めている頃ではないでしょうか。

競馬には様々な予想ファクターが存在します。
純粋な実力比べから、血統、持ち時計、コース実績、etc…
その中の主だったものに、追い切り調教が存在します。

追いきり時計の計測は大きく2つに別れており、
坂路追いはICタグセンサーにより自動で計測され、
ウッドやポリトラック等のコース追いは各新聞社のトラックマンが手動時計で計測されます。
コース追いが自動化されないのは、新聞社の雇用問題や厩舎の企業秘密である調整法が晒されるのを嫌う等の説などがありますが心配無用。
熟練のトラックマンによる正確な計測で、どの調教コースでも安定した追い切り時計が提供されています。

 

なーんてのは真っ赤なウソぴょーん

 

 

わたしゃ競馬マスコミ嫌いな人間ですが、この件に関しては、特に頭に来ているので某社なんて隠さず、ド直球で具体的に例を挙げていきます。
百聞は一見にしかず、下の表は2014年東京優駿のイスラボニータの最終追い切り時計です
対象の新聞を優馬、勝馬、馬三郎としましたが、特に他意はありません。
悪意はありますけど

優馬 83.3-67.3-39.3-12.7
勝馬 83.0-67.0-38.4-12.6
馬三郎 82.8-66.4-37.7-12.8

この数字、信じられます?
上がり3ハロンが新聞によって1秒半も違うんですよ?
着差で言えば、8馬身は違うんですよ?
日本競馬の最高峰日本ダービーの有力候補である皐月賞馬の最終追い切り時計が、新聞によってこれだけ差が生じていたなんて、にわかには信じられませんよね。
でも、これ本当なんです。
ダービーの有力馬がこの有り様となれば、穴馬はどんなことになってしまうのでしょうか。
マイネルフロストの最終追い切りを見てみましょう。

優馬 69.8-54.0-39.1-12.0
勝馬 69.0-53.8-38.6-12.2
馬三郎 69.0-53.1-39.0-12.6

お、先程よりタイム差が小さくなりましたね。
さすが、プロの仕事です。
調教ごとに時計差が異なるということは、新聞社によって計測ポイントが異なるのではなく、単純にクソなんですね。
そして一番重要視される最終追いがこの状況ならば、一週前追いきりはどうなるのでしょうか。
同じくマイネルフロストの一週前追いきりを比較してみましょう。

優馬 66.7-52.7-38.9-12.3
勝馬 66.4-51.8-38.5-12.9
馬三郎 67.9-53.4-39.8-12.6

馬を取り違えてるのかと思うぐらいバラバラになりました。

 

とまぁ、調教時計の酷さを晒しましたが、この新聞社が駄目でこの新聞社が良いという事を言うつもりはありません。
これだけ調教時計に差がありながら、問題提議が何一つ出来ない競馬マスコミ全体がクソだと思っております。
随分前に某新聞社のトラックマンが「我が社の時計は辛いが安定しており調教師からも信頼されている(キリッ」とかいう記事を見た記憶がありますが、自分の所を持ち上げる前に、適当な計測が蔓延し結果として業界全体の信頼度が落ちかねない状況に警鐘を鳴らせない辺り、既に末期状態と言えますね。
あと追記しておくと、実は調教タイム差の発生は美浦コースでの発生が多く、栗東コースでは差が出ることは少なかったりします。
それだけ調教時計の横流しが横行しているなんてことはないよ!