将来トレセンの25%が廃業する事になる(かもしれない)という話

月間出走頭数からみる競走需要

90年代までは、トレセンではレースに向けた仕上げ以外にも多岐に渡る仕事をこなしていた。
例えば新馬や長期休養馬の体力作りには3ヶ月前後みっちり乗り込んでいたし、夏場の休養も牧場に出さずトレセンの管理下で行うことも普通に多かった。
現在、それら「目の前の賞金にならない仕事」は外厩に任され、その代わりにトレセン内は出走体制にある馬で満たされている。

では、どの程度の量的変化が生じているのか。
この出し方は色々な考え方があるだろうが、今回は1ヶ月あたりの出走頭数で出してみた。
比較したのは1999年と2018年。
開催日数に差異はあるが、1年で丸めれば良いだろうという考え方でだしている。
出走回数ではなく出走頭数であることにご注意を。

月平均出走頭数
1999年:約2610頭
2018年:約3412頭


月平均で800頭、1.3倍もの差が生じている。
これだけ出走頭数が増えれば出走回数も比例して増えるのが自然だ。
しかし、ここにレース数不足による除外問題が立ちはだかる。
どの程度影響をもたらしているのか、出走頭数と回数の増加比で見てみよう。

このように月平均出走頭数は1.3倍に増えているのに対し、出走回数は1.1倍前後に留まっている。
倍率で表すと小さい差と思えるかもしれないが、実数に出すと大変な状況なのが見えてくる。

1999年のJRA馬年間出走回数は43206走。
これを出走頭数の増加と比例して1.3倍にすると56167走。
しかし2018年の年間出走回数は48316走。
その差は約8000走

これをレースの増発だけで賄うとすれば、1レース平均を1頭多めの15頭立てとしても

約533競争

の増発が必要という事になる。
果たしてこれが軽微な調整で解決できる問題なのかどうか。
それはみなさんの捉え方次第である。


コメント

  1. 名無し より:

    動画、拝見させていただきました
    現在の中央競馬においてレース資源が足りてないもとい競走馬が多すぎる問題に関して
    一つ、動画では挙げられていない原因があると思います。
    私は生産者関連で競走馬の過剰供給の他にも特定の種牡馬への種付けの集中と、それに伴う幼駒の価格高騰が少なからず関与しているなと少し思いました。
    まず生産者はできる限り幼駒を高値で売りたいわけですから資金力のある大牧場は揃って一流種牡馬に種付けをしようとします。しかし種牡馬も生き物であり、一年にこなせる種付け数は限られているわけですから、ノーザンテーストやパーソロンが活躍していたくらいの時代は中小は言わずもがな、大牧場も一流種牡馬に種付けできる機会が少なく、そこそこ良質な肌馬でも少し格の落ちる種牡馬や代用種牡馬に種付けすることもざらにありました。その結果、幼駒取引ではサンゼウスのように一部ずば抜けた高額馬が飛び出ることもありましたが、幼駒の平均価格は今と比べて低かった印象があります(昔は庭先主体だったので不透明な部分はありますが)
    そして、安い馬は一部の例外を除き、馬主も大して期待していないわけですからわざわざ預託料の高い中央に入れず、預託料も中央に比べ安く、昔は賞金もそこそこ高かった地方で走らせる馬主も多かったので、中央に入厩する馬は限られた数のエリートに絞られていて、レース資源が不足することが少なかったのだと思います。
    しかしサンデーサイレンスの登場から数年後、人気種牡馬は獣医学の発展もあって年間200頭以上もの種付けをこなすようになると一転、大牧場はもちろん、ある程度力のある中小の牧場までもが金を払えば一流種牡馬に手を出せるチャンスが増え、さらにセレクトセールの登場なども相まって幼駒の平均価格が急騰。そして馬主も高い馬には期待するのが当たり前なので、エリートの集う中央に入れたがり、逆にハイセイコー、オグリキャップといった地方出身のアイドルホースが作り出した競馬ブームも終わり、ハルウララなどが祭り上げられたように落ちこぼれの印象が強くなった上賞金も減額された地方には馬がなかなか集まらなくなり、そしてそれらが最終的に今の中央競馬への馬の供給過多によるレース資源の不足、そして地方への供給過小による地方ダート路線のレベル低下を生み出す一助となってしまった気がしてなりません。

    長文失礼しました

    • Luthier より:

      いえいえ、コメントありがとうございます

      中央に入厩するのがエリートであったのは、預託枠開放前の99年までだと思います。
      その辺の流れは以前のエントリーと動画にしているのですが、レースの需給関係が崩壊したのはあっという間で、2003年辺りで既に未勝利と500万下は飽和状態でした。

      厩舎制度の変遷から見る降級制度廃止問題

      JRAの預託料は高いですが、たとえ勝負にならなくてもレースに出れればそれなりに金になる上に中央の施設で鍛えられる、ついでに中央での通用具合で地方への転出先も決められる。それも各種抹消手当付きで。
      実は安馬でも入厩するメリットが昔からそれなりにあったのですが、肝心の入厩枠がなかった。
      それを可能にしたのが預託枠の倍増であり、地方転入条件の引き下げです。
      もちろん、その中には地方の賞金削減と競走馬減少という負のスパイラルも大きな要因ですが、それを引き起こした一因もJRAの預託枠拡大にあります。
      この登録枠の拡大以前と以後何が変わったのかを再評価しないといけないんですけどね。
      なかなか広まらんのですなぁ。

  2. 名無し より:

    1日2レース×開催日288日=576R
    48開催日分必要になるわけですか…
    もう盛岡実効支配するしかなさそうですねw

    岩手の問題は頭痛い話で看板馬が中央に行ってしまう事態
    なんか売上とか赤字とかそういうの関係なしに
    馬がいなくなって飛んでしまいそうですね

    そうなると実効支配はできなくなってしまうことに

    • Luthier より:

      コメントありがとうございます

      岩手はもう自業自得としか。
      こんだけセキュリティ事案が起きて、普通の会社なら担当部署の責任者は更迭されてますよ(笑)
      開催再開するようですけど、また混ぜられるでしょうね
      とりあえずNARが後ろ盾しないと駄目でしょう
      運転資金的にも公正問題の検証的にも

      • 名無し より:

        3月から予定通りにやる気満々のようで、達増岩手県知事が会見してしてましたね…(呆

        ツイッターも拝見しましたけど、
        東スポのWebも(ヤフーで見ましたが)
        ”厩舎関係者を悩ます「新馬戦の除外馬、多過ぎるんじゃないの?」問題”って記事を配信してましたね

        こういう記事を書くなら、
        なぜこの時期の新馬戦に馬がとりわけ集中するのか、とか
        なぜ500万やオープン・重賞が小頭数になるのか
        ってところをもっと突っ込んで書いていただきたかったのですが…

        ”勝ち上がった馬たちはどこで何をしているんだろう?と思うことがあるよ。”
        ってことを本気でのたまう調教師がいるならその方の頭の中を覗いてみたい…
        私ならクラシック戦線で好走できる見込みがある馬でなければ外に出して成長を待って降級のない古馬500万と走らせますけどねぇ