内ラチ1頭分ルールについて

何でこんなルールがあるのだろう?

考えてみれば、1800m前後のトラックコースを15頭立て以上で年間2000競走近く行われる国というのは、そうそうない(はず)。
出走数が増加する2000年以前でも1000走近くが15頭以上で行われている。そういった歴史の中で危険緩和として紳士協定的なルールが作られて公式化した。
というのが完全な妄想ストーリーであるが、このルールが存在するのは日本ぐらいではなかろうか。

短期免許で来る外人騎手も基本的には守っているが、ルールのディテールが伝わっていないのか、微妙な所で違反する騎手もいたりする。

2018年8月26日:小倉5R】アブドゥラさん

短期免許の騎手が違反をするのだから、JRA騎手が海外で乗る時も問題が無いとも言えない。
2012年のドバイWCでは、逃げる藤田伸二とトランセンドの内から、平然とJ.オブライエンとソーユーシンクが追い抜いていった。

藤田伸二の驚きようが目立つが「JRA騎手って海外じゃ戦えないんじゃね?」という印象を個人的に抱いたのがこのレース。
別にJRAのルールがガラパゴスだと批判するつもりは毛頭ないが、日本パッケージのまま欧州で戦うのに足を引っ張る一因としては十分な要素であると思う。

日本と海外の壁は馬場やコースだけに留まらない。
ムチに斜行といったルール面の違いも多岐にわたる。
それぞれに対応して自分の引き出しを使いこなせる騎手がJRAには不足している感がある。
単に上手い下手だけではない対応力を見る一要素として、内1頭分のスペースというのは大事かもしれませぬ。


コメント

  1. ノーステア より:

    面白い記事です。高速の路肩みたいな扱いかな?
    故障した馬や垂れた逃げ馬はその内ラチ1頭分を通って後退していくのでしょうか?

    • Luthier より:

      コメントありがとうございます。

      まさに高速の路肩のようなものです。裁量のレベル的にもそのまんま。
      仰る通り基本は後退用のスペースと考えて良いと思います。
      あとは、左右の動きで押し込まれる時に事故が起きないように残しておく余白的なものと。