三浦皇成9頭落馬事故を振り返る

制裁情報のまとめが軌道に乗ってきた所で、過去の制裁事例を振り返ってみたいと思います。
初回として、近年最大の落馬事故となった表題の件を取り上げましょう。

2010年1月11日中山4R:新馬戦
制裁内容:4コーナーで外側に斜行したことについて平成22年1月16日から平成22年1月24日まで騎乗停止(実効4日)
レース経過:4角半ばで三浦@ノボプロジェクトが突如外にヨレ、引っ掛かった勝浦@フォルメンが転倒、そこに後続が続いたことでドミノ式に被害が拡大し、9頭が競走中止となった。
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私見:
この事故の原因に関しては、実に様々な説が飛び交いましたね。
曰く、内ラチ1頭分空けなかったのが原因だとか
曰く、自転車の後輪が流れた様なものだとか
曰く、勝浦@フォルメンが後方から煽る感じで併せに来たからだとか

5年経って改めてじっくり見た感想として、まずトモの流れ方が遠心力に負けて流れたものではなく、蹴りに行く動作に見えること。
一度後肢を内に入れてから外に蹴りだしているんですよね。
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私は競馬のような高い負荷で乗ったことはありませんが、この動作は遠心力に負けた形には見えない。
バランスを崩したとしてもちょっと不自然な動きですし、
フォルメンを嫌がって外に蹴りだしたというのが私の見方ですね。

結論として、外から圧力を嫌ったノボプロジェクト自身の問題によっておきた事故。
内ラチを詰めていた分、圧力が強まり経験のない新馬の余裕が無くなったが故に起きた動作とも言えなくはないが、これを騎手の責任とするのは酷。
現行のシステムなら、馬は失格、騎乗停止は1日が妥当な所か。


東京2015年5月31日制裁情報

東京7R
騎手:吉田豊(シャークベイ)
制裁:4コーナー手前で外側に斜行したことについて過怠金100000円
原因:4角で不用意に外へ動いて10番タケルファラオが大きくバランスを崩した。単純に騎手の不注意が原因。
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東京9R:むらさき賞
騎手:戸崎圭太(フェイマスエンド)
制裁:最後の直線コースで十分な間隔がないのに先行馬を追い抜こうとしたことについて戒告
原因:1番ハドソンヤードと3番マイネオーラムのスペースを突こうとするもマイネオーラムが内に若干動いたことでスペースが無くなりハドソンヤードと接触した。

騎手:福永祐一(オコレマルーナ)
制裁:最後の直線コースで十分な間隔がないのに先行馬を追い抜いたことについて戒告
原因:1番ハドソンヤードと内ラチの間を突いた結果ハドソンヤードの逃げ場がなくなった。所謂、内ラチ1頭分ルールか。
20150531東京09

東京10R:東京優駿
騎手:福永祐一(リアルスティール)
制裁:最後の直線コースで内側に斜行したことについて過怠金50000円
原因:直線右ムチ一本で緩やかに左へ寄れながら追い続けた結果、ゴール前50m辺りで2番タンタアレグリアの進路をカットする形になった。
過怠金が大きいのは、レースの大きさと寄れているのに修正動作を取らなかった事が問題とされたかも。
20150531東京10

東京11R:富嶽賞
騎手:杉原誠人(ガッサンプレイ)
制裁:最後の直線コースで外側に斜行したことについて過怠金50000円
原因:直線外にいた16番カワキタシャフトが1/4馬身残っているにも関わらず外へ持ち出し、被害馬が大きく立ち上がった。
タイミング的には落馬していても不思議ではなかった。
20150531東京11