私的3歳ダート路線整備論

このエントリーはyoutubeにアップした私的3歳ダート路線整備論の内容を再構成してデータを補完しつつ文章化したものです。


なんで降級廃止に関する動画を作って、今度は文章化しているのかといえば、関係者レベルでも↓程度の認識で物事を語り、それが記事となって世に出回っているから。

「冬場にダート増えるんだから今は芝の編成が多いのは自然だろう」とか、「ワンターンのD1400がジャストフィットな馬を6月に下ろすのが間違いじゃね?」、というツッコミは置いといて、ダート路線の整備に関する記事は色々と見るが、基本的にこの記事の論調からは外れていないだろう。

確かに2歳・3歳のダート路線には目標となるG1レースがない(交流Jpn1はあるけど)。
そしてダートのOP競争そのものも少ない。
2歳・3歳限定の500万下競争は芝101競争・ダ72競争が組まれているのに対し、OP・重賞クラスになると芝75競争・ダ8競争と施行数の差が大きくなる。
比率を並べるのはさすがに無理だとしても、路線整備となれば少なくともダートOPを十数競争は増やさねばならないだろう。

「だったら増やせよ」
できねーよ
「なんで?」

これまで読んで頂いた人なら大体の事はわかってもらえると思うが、この記事に対する自分なりの回答とその先の部分まで書いていこう。
ちなみに、前回までのエントリーを読んでない人は先にこちらをどうぞ。

その1.降級制度を廃止する理由とその疑問 
その2.降級廃止が招く混乱の可能性
その3.登録枠の拡大を再評価しよう


理由その1・レース編成の余裕がない

繰り返して書いているが、レースを増やそうにも編成上の余裕がない。
「2歳・3歳のダート路線を整備しろや」と言う人には「どこから編成を持って来るの?」という言葉をそのまま送り返す。
そこに触れてこそ、初めて提言となる。
そこに触れなければ、ただの愚痴である。
編成と競争馬数のバランスが崩れている認識があればこんな記事や提言は出てこない。

理由その2・GⅠもGⅡも作れない

JRAは国際セリ名簿基準委員会のパート1に入っているため、GⅠ競争の格付けを得るには一定以上のレーティングが必要となる。
しかしオープン競争の不足はレーティング馬の不足にも繋がっており、レーティング馬同士の競争が足りないため暫定レースレーティング値が低くなってしまっている。
さらに、ダート路線は引退が遅く3歳馬が古馬との競争で壁に跳ね返されることも多く、決定値で上方修正されることも少ない。
GⅡ格を想定して創設されたレパードSは、レーティングが足りずGⅢとなってしまった。
相対評価の面が強い現在のレーティングシステムでは格付けを確保するためのレーティングを得ることができないのである。
金成師の言うような2月のGⅠ創設は、国際ルールに対する認識が欠けていると言わざるを得ない。
JRAから消し去ったはずの忌まわしきJpnⅠを復活させるとか、GⅢだけど賞金はGⅠ級、みたいな形では出来なくもないが、まぁそこまでする可能性は極めて低いだろう。
現状は芝とダートで賞金を分割する以前の問題が立ちはだかっているのである。


では、これらの問題を解決するために古馬競争か障害競争を廃止するなどで20ぐらいの競争枠を確保し、それらを全部若駒ダートOP競争に回して路線構築したとする。
レーティングも改善されGⅠ競争も創設できたとする。
これで若駒路線は丸く収まるように思えるが、裏にある別世界で抱える問題は残っている。
残るどころか、悪化する可能性がある。


コメント

  1. ペルノ より:

    2歳3歳のダート路線拡大も冬から春の障害重賞(6競走程度)から回せば予算も問題無い。

    地方は新馬戦は諦めて(もう新馬の入る厩舎も限られてるし)、負け戦の3歳路線からで仕方ないね。

    • Luthier より:

      コメントありがとうございます

      障害を削るのはやめてぇぇぇぇ

      という個人的な感情は置いといて、
      地方もそう割り切ってしまえば話は早いんですけどね。
      現状では中途半端に抵抗してるのがなんとも煮え切らない。
      2歳戦の賞金が完全に浮いてるけど、JRAに抗するには足りないという。
      そういう意味で、JRAがバッサリ介錯するのもありなのかもしれませんが。