新馬戦の除外ラッシュが長期化するかもね

JRA共産党宣言

新馬戦の不足に対して3歳新馬戦の廃止という情報が一部で流れているが、それによってこの問題が終結する可能性は低い。
なにせ鎮火する前に秋開催まで延焼しつつある。
新馬戦を未勝利戦に転換したとしても、新馬の頭数はその出走枠以上に存在しており、非権利馬の状況は悪化していく。
デビュー頭数と新馬・未勝利の数が合っていないのだから当然だ。
考えれば考えるほど、解決は困難と思える。
しかし、JRAにはシンプルな解決方法がある。

強制的に新馬を減らしてしまえばいい。

このエントリーの最初に載せた新馬の出走規制である。
厩舎毎のデビュー数に制限をかけて、総デビュー頭数を2010年レベルの4400頭辺りまで削減させてしまうのである。
2018年の実績を元に具体的な線を示すと、1厩舎25頭
これで400頭余りの新馬が他厩舎でのデビューとなり、その半分の200頭が地方デビューとなれば出走需要を1000走減らすことができ需給は改善される。
これに類似するものとして、馬主に対してデビュー頭数制限をかけてしまうのもあるだろう。具体的なラインを考えるのは難しいが、とりあえずクラブ馬主阿鼻叫喚。

どちらにしろ、今年のデビュー頭数が見えてくるまで一定の答えは出せないし、JRAが頭数の強制的な蓋をするトンデモ施策を実際に行う可能性は小さいが、デビュー数の増加に歯止めをかけるような施策は既に考えられているだろう。
これらは2000年の厩舎制度改革による自由化から180度反転の超管理施策であり、裁判に訴えればJRAが敗勢とも思えるが、限られた資源を分配するのは共産主義がもってこいである。
誰も幸せにならないけどな。

ちなみに、ここで出した200頭というのは、デビュー数の5%にも満たない数字だが、それぐらいレース需給は綱渡り。
綱渡りというか、綱はとうの昔に切れてるのに強引に結び直して紙を貼り付けてごまかし「切れてません。何とかなります」と15年強弁を張っているのがJRAである。
腹を割れないJRAも悪いが、競馬で食ってる人間もいい加減考えても良い頃だ。

「JRAは早期デビューを促している」という記事を時々見るが、これは微妙にずれている。
「JRAは新馬を増やしたくない、むしろ減らしたい」が実情であり、その現状と向き合わないといけない。
そもそも、2000年の厩舎制度改革は調教師側も馬主側も賛同したことだ。
その後始末の責任は、JRAだけが担う事なのだろうか。

JRAは馬を抱えすぎている。
新馬の除外問題は、その一面でしかない。


その1.降級制度を廃止する理由とその疑問 
その2.降級廃止が招く混乱の可能性
その3.登録枠の拡大を再評価しよう
その4.私的3歳ダート路線整備論
その5.降級廃止にも対応できる優先出走順位改革案
その6. JRAのスリーアウト法導入についての一考察
その7.将来トレセンの25%が廃業する事になる(かもしれない)という話
その8.新馬戦の除外ラッシュが長期化するかもね(いまここ)
その9.降級廃止の効果を検証しよう


コメント

  1. Charlie より:

    東京ダート1400の1勝クラスを削って新馬戦に変えるそうですが、目先の解決にしかならなそうですね

    • Luthier より:

      コメントありがとうございます

      まさに目先だけですねぇ。
      まぁ、目先が大事な時もありますが、この件は目先だけ積もらせていくと後始末も要求されることになるのよね

  2. 名無し より:

    2000の新馬未勝利をなくして1800に変えるというのはどうなんですかね
    あの条件マイルが適距離に見えるという馬が出てこないからフルゲートなんてまれですし
    逆に2000走れる馬なんて1800走れるのも大半でしょうから

    • Luthier より:

      コメントありがとうございます

      無くはないでしょうけど、正直気休め感は強いですなぁ。
      やらないよりは良いと思いますが、肝は1400m以下ですからねぇ。

  3. mizucchi41 より:

    常時3場開催できるように競馬法が改正されたらまだまともになったりするんですかね…?

    • Luthier より:

      コメントありがとうございます。

      常時3場開催なら、競走需給は改善できますね。
      根本を言えば至極単純な話で、競走馬と馬房に対してレースが足りないだけですから。
      3日間開催を2場開催の合間に挟むことで需要を吸収する苦肉の策も必要がなくなります。
      ただ、この前のエントリーで必要な競走数を書いていますが、全日3場開催だけでは需要は満たせないので「まだまともになる」という意見もその通りです。