鈍い馬が好きだ

その1:トントン乗りが好きだ
その2:ムツゴロウさんが好きだ
その3:藤田伸二が好きだ
その4:脚で動かす考え方も好きだ
その5:やきそば乗りが好きだ
その6:鈍い馬が好きだ(いまここ)
その7:蛯名正義が好きだ
その8:幸英明が好きだ

ここまでのまとめ。
・馬はあばらを圧迫すると体を伸長させようとする動きを取り加速するよ。
・脚で強く圧迫すればするほど馬は加速するよ。
・屈伸しながら乗る、所謂焼きそば乗り(スリーポイント)だと楽に脚扶助を強く使うことができるよ。

では、デメリットは?


もう10年以上前になると思うが、まだ若手だった頃の川田が「福永さんに『将雅が乗った後の馬は乗りづらい』と言われた」というインタビュー記事を読んだ事がある。

馬に限らず、生物は同じような刺激を受けると次第に慣れていく。
脚扶助も同様で脚だけで動かそうと強い扶助を使っていると、馬も慣れ、今度は更に強い脚扶助が必要になる。という悪循環に陥る。
若い頃の川田のように直線で脚をガリゴリねじ込むような乗り方をすると、次に軽い扶助で動かす騎手が乗った時に思い通りに動かなくなる事もあるだろう。

当時は「一回の競馬だけでそんなに変わるかよ」なんて思っていたが、安藤勝己氏が「楽に動かせるけど強い扶助を使ってると鈍くなるし、中央の馬にはそんな強い扶助は必要ないよ」と自分の思ってるスリーポイントのメリットとさらにその先の答えまで出してくれたので、現在はその意見を全面的に支持している。
実際に、2017年までに挙げた川田のG1勝利10勝が全て違う馬というのは、この乗り方のデメリットを示唆しているものだと思う。
もちろん、ノーザンFが代打屋扱いしているのも大きな一因であるが、ノーザンFが代打屋として使っているのにも理由があるという事である。

でもねぇ、強い扶助は使いたくなるよね。
だって脚ぶちこめばその時は動くじゃん、だから頼っちゃうよね。
下手には下手なりの乗り方あるよね。と下手は思う。
上手くなろうと努力しろだって?
うるせぇ、正論が正しいとは限らないんだよ!


ちなみに、今も昔もスリーポイントで「強い扶助」と「体が楽」という自分が思う大事なポイントを挙げてくれたのは安藤勝己氏だけという事実は、自分の中で競馬マスコミのレベルを一層下げる事に一役買っている。
アンカツさんが競馬評論家として残ってくれて本当に助かった。
スリーポイントに対する評論を見て以降、それ以外の競馬評論家はいらねぇと言ってしまいかねないぐらいの信者である。