蛯名正義が好きだ

その1:トントン乗りが好きだ
その2:ムツゴロウさんが好きだ
その3:藤田伸二が好きだ
その4:脚で動かす考え方も好きだ
その5:やきそば乗りが好きだ
その6:鈍い馬が好きだ
その7:蛯名正義が好きだ(いまここ)
その8:幸英明が好きだ


スリーポイント騎乗をしている騎手の代表格として名前が上がるのがこの方。
元々関東のリーディングを独走していた時期もあるトップジョッキーが、2012年の中頃から屈伸しながら追い始めたのだから、そら、みんな驚く。
ところが、彼のスリーポイントは他の人と何かが違う。
現在では色々と変わっている所も多いが、抜き出しやすかった2014年の騎乗を見てみよう

比較として同時期の川田も見てみよう

一番注目してほしいのは屈伸する時の脚の使い方。
川田は重心を下げた時に膝を外に出してガニ股になりながら脚をねじ込むように入れているが、蛯名は脚を強く使うような意識があまり見えない。
脚を入れるべきタイミングで逆にふらつくように見えるのは、どこに力を入れようとしているのか。
くるぶしで入れる感覚なのかもしれないが、それなら鐙を下げるべきだろう。これでは自分の体が楽なだけで、扶助で促すこともできずに走りを邪魔しているだけだ。
現在では踵を引いて使っているが、それでも脚に対する意識が強くなっているとは思えない。
おそらく、蛯名がスリーポイントの乗り方に求めたメリットは別のところにあるのだろう。
それは何なのか。
私にはわからない。


雑誌で書かれていたような背中のツボとかいう訳のわからない説を本気で信じていたのか、はたまたブランコに乗る要領で重心移動だったのだろうか。
自分よりはるかに上手い人から「腰の使い方を見ると騎座を使いたかったのだろう」という意見を聞いたが、それはモンキーでも使えたとも思うし、少し腑に落ちない。
仕方ないので、馬術稽古ブログの人に質問を投げてみたら
「見よう見まねで真似ただけだから中身がないのでしょう」
と一刀両断の回答。

結局、馬の生理に基づいた技術や理論が乏しいのだろうという、というこのシリーズの最初に書いた見解に戻ってくる。
それは生産界に留まらず、JRAのトップジョッキーにおいてもそういったレベルの人間がいる、という事である。