鞭と斜行の関係

馬はムチから逃げる

現在のルールにおいて騎手が使える最も強い扶助がムチです。
「馬はムチで叩かれると痛いの?」
と聞かれれば
「わかりません」
としか言えませんが、
音と刺激にプレッシャーを受けるのは間違いなく、馬は打った側の反対側へ逃げる(斜行)事があります
そのため、騎手はムチを使用する際には、反対側への斜行を注意する義務が生じます。

ムチと手前

ムチを使用する際には逃がさないように他の扶助で支えるわけですが、その大前提として推進力の反対側、つまり手前脚側からムチを打つのが基本となります。
もし、手前脚の反対からムチを入れて斜行し進路妨害をした場合には、不適切な扶助として被害馬の影響以上に重い制裁が課される可能性が極めて高くなります。

ムチによる修正

ムチは打ったら斜行する可能性がある反面、斜行している馬の修正にも使われます。
斜行方向側(右へ斜行しているなら右側)から打つのは修正扶助として最も強い扶助です。
それでも尚斜行し続ける場合には、馬の悪癖として制裁が考慮される可能性があります。
対象的に、斜行中に斜行方向の逆側からムチ打つことは、斜行を更に促す不適切な扶助としてレースへの影響以上に重い制裁が課される可能性が極めて高くなります。