井上敏樹騎手の不服申立てに関して

井上騎手が2018年4月15日福島8Rにおける実効4日間の騎乗停止制裁に対して、不服申立てを行いました。

以下、JRA原文ママ

第1回福島競馬第4日(4月15日(日曜))第8競走において、騎乗停止(4月21日(土曜)から4月29日(祝日・日曜)までの9日間)となった井上 敏樹騎手から、日本中央競馬会競馬施行規程第154条第2項の規定による不服申立てがありましたのでお知らせいたします。
なお、不服申立ては、近日中に裁定委員会において審理されることとなります

JRA原文リンク


制裁情報でも記載しましたが、これは中々に難しい事象です。
動き自体は過怠金3万前後程度でしたが、ドミノ式に影響が拡大して最終的に落馬に至った形。

【落馬】という結果を受け取れば騎乗停止4日間は妥当ですが、落馬までの過程の中には被害馬の中にいたサンシャーロットが外へ出しながら前へ押し上げる動きをしていた影響やそれぞれの騎手が御しきれてない部分だったりと、色々な要素が絡んでいるので裁量が非常に難しい。
しかも、前日には同じく落馬事象だった阪神10Rが馬の悪癖という事で騎乗停止1日に収まっている。
なので、井上騎手の不満も理解できる所です。

ただ、戦い方は難しいですね。
裁定委員会で騎手がどこまで発言できるかは不明ですが、
単純に「不満がありまぁ~す」
では前例通り判で押したような形で負け。
「昨日の落馬が1日で俺が4日は納得できねぇ」
と言っても【騎手が直接誘導した進路変更】と【馬の悪癖による動き】の裁量差というシンプルな理由で駄目でしょう。
「自分の動き自体はそこまで悪質ではない」
も悪くはないですが【落馬】の重みは大きいですし、動き自体も戒告レベルではないので勝ち目はオブラートより薄い。

もし自分が訴えるなら「サンシャーロット@横山武史の外への動きを考慮してくれ」の1点でしょうか。
サンシャーロットが外へ動いてデストリーライズと接触したのは、下がってきたエイシンルカーノを避けるためですが、その前段階で外へのスペースが殆ど無かったにも関わらず外へ動きつつあったのは不正含み。
もしサンシャーロットが外の馬の進路をを尊重して内に待機していれば、レースへの影響はここまで大きくならずデストリーライズの落馬は起こらなかった。
という形で攻めるでしょうか。
複数頭による動きによる事象という形になれば裁量は大きく考慮されるので、それを狙いたい所です。

まぁ、駄目だろうけど。

参考画像
黄丸:井上@ナンヨーアーミー
赤丸:横山武@サンシャーロット


補足として、落馬事象の裁量を
【進路確保による動き】>【他馬の動きの影響による動き】>【馬の悪癖による動き】
という過去事例で比較しておきましょう。

外へ進路確保する動きで走行妨害し落馬【2017年5月21日新潟1R(実効4日)

前の馬の動きの影響で外への動きが大きくなった事による走行妨害で落馬【2017年3月12日中京7R(実効2日)

馬の悪癖により外へ逃避しての走行妨害で落馬【2018年4月14日阪神10R(実効1日)】

といった感じ。
去年は悪癖での落馬も2日だったんだけどね

今回はドミノ式に影響が大きくなった事象ですが、それらは全て井上騎手が【進路確保する動き】によって引き起こされた、というのが現在の裁量です。
しかし、今回は直接的な影響を与えていないというのが大きなポイント。
それを考慮しつつ過去事例の観点からひっくり返すのならば【他の馬の動きによる影響】という要素を突っ込むのが一番効果的。
その要素としてサンシャーロット@横山武史の動きは、十分に訴えて戦える余地があるのではないかと思います。

やっぱり、駄目だろうけど。